美容・理容業向け補助金
美容・理容サロンが使える補助金まとめ【2026年最新版】
設備導入・集客・DX
補助金ナビ編集部
最終更新:2026年7月17日
この記事のポイント
美容院・理容室・ネイルサロン・エステサロンなどは、小規模事業者持続化補助金・デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)・業務改善助成金・雇用関連助成金など多様な補助金を活用できます。特に持続化補助金では特例の併用で最大250万円の集客・設備投資支援が受けられます。本記事では美容業に特有の活用ポイントとあわせて主要制度を公式情報に基づき解説します。
美容・理容業向け補助金の全体像
美容院・理容室・ネイルサロン・エステサロン・アイラッシュサロン等の美容・理容業のうち、理容所・美容所だけでも全国に約38万施設(理容所107,995施設・美容所277,752施設。厚生労働省「令和6年度衛生行政報告例」)あり、競争が激しく、集客・人材確保・設備更新が経営上の重要課題となっています。この業種は従業員数が少ない小規模事業者が多く、国の補助金・助成金制度を活用できる余地が大きい業種です。
美容・理容業が活用できる補助金は主に4つのカテゴリです。①集客・販路拡大(ホームページ・SNS・ポスティング等)、②設備導入(施術機器・インテリア改装等)、③デジタル化(予約管理・POSレジ等)、④雇用・人材確保(スタイリストの正規化・育成等)です。
| 制度名 | 補助上限額 | 補助率 | 美容・理容業での主な用途 | 公式サイト |
| 小規模事業者持続化補助金 | 最大250万円 (特例併用時) | 2/3 (賃金引上げ特例の赤字事業者は3/4) | 集客・広告・設備購入・店舗改装 | 中小企業庁 |
デジタル化・AI導入補助金 (旧:IT導入補助金) | 最大450万円 (通常枠) | 1/2〜4/5 (枠・類型による) | 予約管理・POSレジ・顧客管理CRM | 公式サイト |
| 業務改善助成金 | 最大600万円 | 4/5または3/4 | 施術機器・備品購入+賃金引上げ | 厚生労働省 |
| キャリアアップ助成金 | 最大80万円/人 (正社員化コース・中小企業) | 定額 | アルバイト→正社員転換 | 厚生労働省 |
| 人材開発支援助成金 | 訓練時間に応じ15万〜50万円/人 (人材育成訓練・中小の経費助成限度額) | 経費の45〜75%等 (訓練・対象者による) | スタイリスト研修・技術習得 | 厚生労働省 |
| 地方自治体の創業・開業支援 | 自治体により異なる (例:起業支援金は最大200万円) | 自治体により異なる (起業支援金は1/2) | 開業費用・初期設備 | 内閣府(起業支援金) |
※補助額・補助率は公募回・申請枠によって異なります。最新の公募要領を必ずご確認ください。
小規模事業者持続化補助金(集客・設備)
小規模事業者持続化補助金は、美容・理容業にとって最も活用しやすい補助金の一つです。集客のためのホームページ制作・SNS広告・チラシ制作、さらに設備購入(シャンプー台・椅子・施術機器等)や店舗の一部改装なども対象となります。
美容・理容業での対象経費の例
- ホームページのリニューアル・予約システムとの連携
- Instagram・Google広告等のSNS広告費用
- ポスティングチラシ・近隣への折込チラシ費用
- サロン向けデジタルサイネージ(店内告知用モニター)
- 設備購入:スチーマー・ヘッドスパ機器・美容用施術チェア等
- インテリア改装(待合スペースの改装・リノベーション)
| 型・特例 | 補助上限額 | 補助率 | 備考 |
| 一般型・通常枠 | 50万円 | 2/3 | 販路開拓・業務効率化の取組 |
| インボイス特例 | +50万円上乗せ | — | 免税事業者からインボイス発行事業者に転換した事業者 |
| 賃金引上げ特例 | +150万円上乗せ | 赤字事業者は3/4 | 事業場内最低賃金+50円以上の引上げ |
| 創業型 | 200万円 | 2/3 | 特定創業支援等事業の支援を受けた日と開業日がいずれも公募締切から過去3年以内 |
一般型・通常枠は両特例の併用で最大250万円まで補助上限が拡大します(旧「賃金引上げ枠」「卒業枠」「後継者支援枠」等の枠は現行制度にはありません)。美容業の場合、常時使用する従業員が5人以下の事業者が「小規模事業者」の対象です(商業・サービス業〔宿泊業・娯楽業除く〕の区分)。個人事業主も申請可能で、地元の商工会議所・商工会がサポートしてくれます。なお、ホームページ制作などのウェブサイト関連費は交付申請額の1/4が上限で、ウェブサイト関連費のみでの申請はできません。
実在の活用事例:理髪店(島根県吉賀町)
散髪に行くことが困難な在宅介護者のニーズに対応するため、持続化補助金で移動式リクライニングチェアと移動式シャンプーユニットを導入し、町内での出張理容サービスを開始。事業案内パンフレットの作成・配布とあわせて、新たな顧客層の開拓に取り組みました(機械装置等費・広報費の活用例)。
出典:中小企業庁 ミラサポplus「事例から学ぶ『持続化補助金』」(過年度の採択事例。実施年度により申請要件・対象経費は異なります。URLは記事末尾に記載)
デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)— 予約管理・POSレジ
IT導入補助金は2026年度から「デジタル化・AI導入補助金」に名称が変わりました。美容・理容業のデジタル化を幅広く支援する制度で、オンライン予約システム・POS(販売時点管理)レジ・顧客カルテ管理システムなど、業務効率化に使えるITツールが対象です。
美容・理容業で活用されるITツールの例
- 美容室向けオンライン予約システム(ホットペッパービューティー連携ツール等)
- POS(販売時点管理)レジシステム:売上管理・在庫管理の自動化
- 顧客管理CRM:来店履歴・施術記録・誕生日DMの自動送信
- シフト管理・勤怠管理システム:スタッフ管理の効率化
- クラウド型会計・請求書システム(インボイス対応)
- SNS自動投稿・予約連携ツール
| 申請枠 | 補助額(補助上限) | 補助率 |
| 通常枠 | 5万円〜150万円未満(1プロセス以上) 150万円〜450万円以下(4プロセス以上) | 1/2以内 (賃上げ等の要件を満たす場合は2/3以内) |
インボイス枠 (インボイス対応類型) | ITツール(ソフト):〜350万円 PC・タブレット等:〜10万円 レジ・券売機:〜20万円 | 補助額50万円以下の部分:3/4以内 (小規模事業者は4/5以内) 50万円超の部分:2/3以内 |
※このほかにセキュリティ対策推進枠・複数者連携デジタル化・AI導入枠があります(旧「A類型・B類型」「デジタル化基盤導入枠」の区分は再編され、現行制度にはありません)。「プロセス」とは会計・受発注・決済などの業務工程を指します。
予約管理・会計・決済など複数の業務プロセスをカバーするツールをまとめて導入すると、通常枠のより大きい補助上限(4プロセス以上で最大450万円)を活用できます。申請はIT導入支援事業者(登録事業者)を通じて行うため、対応するベンダーに相談することから始めましょう。
業務改善助成金(機器購入+賃金引上げ)
業務改善助成金は、最低賃金を一定額以上引き上げることを条件に、設備・機器の購入費用を助成する制度です。美容・理容業では、スチーマー・ヘッドスパ機器・プロフェッショナルドライヤー・カラー剤管理システム等の購入に活用できます。
美容・理容業で対象となる設備・機器の例
- 業務用スチーマー・ヘッドスパ機器・炭酸泉機器
- 高機能プロフェッショナルドライヤー・アイロン
- POSレジ・タブレット端末
- 施術用電動シャンプー台・リクライニングチェア
- 業務用洗濯乾燥機(タオル・ガウン管理効率化)
- カラー管理システム・調合機
| コース(事業場内最低賃金の引上げ額) | 助成上限額 | 助成率 |
| 50円コース | 30万〜130万円 | 事業場内最低賃金1,050円未満:4/5 1,050円以上:3/4 |
| 70円コース | 40万〜300万円 |
| 90円コース | 90万〜600万円 |
※助成上限額は引き上げる労働者数によって決まります(10人以上の区分は特例事業者のみ対象)。
例えば事業場内最低賃金が1,050円未満のサロンであれば、機器購入費等の4/5が助成率となります(コースと引き上げる労働者数に応じた上限額の範囲内)。設備投資等は交付決定後に実施する必要があり、交付申請から交付決定までは3か月程度かかります。最低賃金の引上げと設備投資を同時に行う場合に効果的な制度です。
雇用・人材確保の助成金
美容・理容業ではスタイリスト・スタッフの採用・定着が経営の重要課題です。雇用関連の助成金を活用することで、採用コストの回収や研修費の負担軽減が実現できます。
キャリアアップ助成金(正規雇用転換コース)
アルバイト・契約社員のスタイリストを正規雇用(正社員)に転換した場合に受給できます(令和8年度・中小企業の場合)。
- 助成額:重点支援対象者の有期→正規転換で1人あたり80万円(40万円×2期に分けて支給)
- 重点支援対象者以外の有期→正規転換:1人あたり40万円
- 主な要件:キャリアアップ計画の事前提出・転換後の賃金3%以上増額・転換後6か月の継続雇用。支給申請は転換後6か月分の賃金を支払った日の翌日から2か月以内
人材開発支援助成金(美容業での活用)
スタイリスト向けの技術研修・接客マナー研修・衛生管理研修等のOFF-JT(社外研修)費用の45〜75%(中小企業。訓練の種類・対象者により異なる)に加え、訓練期間中の賃金の一部(1人1時間あたり800円・中小企業)を助成します。美容師の技術向上や新メニュー導入のための研修費用に活用できます。訓練実施前に職業訓練実施計画届の提出が必要です。
トライアル雇用助成金
ハローワーク等の紹介により就職困難者をトライアル雇用(原則3ヶ月の試行雇用)した場合に、1人あたり月額4万円(母子家庭の母等・父子家庭の父は月額5万円)が最長3ヶ月間支給されます。美容業でのスタッフ採用に際して活用できる制度です。
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地方自治体の創業・開業補助金
美容室・理容室の新規開業には、多くの地方自治体が独自の創業補助金・開業支援助成金を用意しています。国の制度と組み合わせることでさらに多くの支援を受けられます。
- 創業・開業支援補助金(各都道府県・市区町村):開業に必要な設備費・改装費の一部を補助。補助額・要件は自治体により大きく異なります
- 地方創生起業支援事業(起業支援金):地域の課題解決に資する起業に対し、起業等に必要な経費の1/2・最大200万円を助成(令和7年度は43道府県で実施。東京都・神奈川県・埼玉県・大阪府は実施していません)
- 空き店舗・商店街出店補助:商店街の空き店舗に出店する場合の家賃補助・改装費補助を設ける自治体があります
- 女性・若手創業者向けの支援制度:女性経営者や若手創業者を対象とした助成・融資制度を設ける自治体もあります
自治体の補助金は件数が多く、補助金ナビの「地域で絞り込む」機能を活用すると、お住まいの地域の制度を一覧で確認できます。
補助金活用の流れ(ステップ)
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課題と投資計画を整理する
集客強化か設備更新か、DX推進かを明確にし、対応する補助金(持続化補助金・デジタル化・AI導入補助金・業務改善助成金等)を絞り込みます。
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商工会議所・商工会へ相談する(持続化補助金の場合)
持続化補助金は、管轄の商工会議所・商工会で「事業支援計画書(様式4)」の発行を受ける必要があります。発行には時間がかかるため、公募締切から余裕をもって早めに相談を始めましょう。
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GビズIDを取得する(デジタル化・AI導入補助金等で必要)
デジタル化・AI導入補助金や中小企業新事業進出補助金など、多くの補助金の電子申請にはGビズID(プライム)が必要です。オンライン申請(マイナンバーカード利用)なら速やかに発行され、書類申請の場合は審査に最大1か月かかります。
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交付決定後に発注・購入する
補助金の採択・交付決定通知を受けた後に発注・契約を行います。交付決定前の発注は補助対象外となります。
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実績報告・補助金受給
事業完了後に実績報告書・領収書等を提出し、確認後に補助金が振り込まれます。
よくある質問(FAQ)
一人で経営している個人サロン(一人経営)でも補助金を申請できますか?
はい、申請できます。小規模事業者持続化補助金・デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)は一人経営の個人事業主でも対象です。ただし、業務改善助成金は労働者(従業員)の事業場内最低賃金を引き上げるための制度のため、従業員がいない一人経営の場合は助成の対象となりません。キャリアアップ助成金も雇用労働者が必要です。
ホットペッパービューティーへの掲載費は補助対象になりますか?
持続化補助金では、ホットペッパービューティーへの「新規出稿・掲載プラン拡大のための初期費用」が広告費として対象となる可能性があります。ただし、月々の継続的な掲載費(ランニングコスト)は対象外となる場合が多いです。詳細は管轄の商工会議所に確認しましょう。一方、ホットペッパービューティーと連携する予約管理システムの「初期導入費・システム設定費」はデジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)の対象となる場合があります。
美容室の内装工事(店舗リフォーム)は補助対象になりますか?
持続化補助金の「改装費」として部分的な内装工事が対象となる場合があります。ただし、「単なる原状回復工事」は対象外で「新たな顧客の獲得・販路拡大につながる改装」である必要があります。待合スペースのリノベーション・新メニュー対応のための施術スペース増設など、事業計画と整合した改装が対象となりやすいです。建物の大規模修繕は一般的に対象外です。
業務改善助成金で購入できる美容機器の具体的な金額上限は?
業務改善助成金では、購入する機器等に個別の金額上限はありませんが、助成額はコース(事業場内最低賃金の引上げ額50円・70円・90円)と引き上げる労働者数に応じた助成上限額(30万〜600万円)の範囲内で、設備投資等にかかった費用に助成率(事業場内最低賃金1,050円未満の事業場は4/5、1,050円以上は3/4)を乗じた額です。例えば50万円の業務用スチーマーを購入する場合、助成率4/5なら最大40万円が助成対象となります(コースごとの上限額の範囲内)。詳細は厚生労働省の公式ページで最新の助成上限額表をご確認ください。
フランチャイズ加盟の美容サロンでも補助金を申請できますか?
はい、フランチャイズ加盟であっても、各加盟店が独立した中小企業・個人事業主であれば補助金を申請できます。ただし、デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)では「IT導入支援事業者を通じての申請」が必要なため、フランチャイズ本部が推奨するシステムがIT導入支援事業者と契約しているかを確認する必要があります。持続化補助金・業務改善助成金は加盟店個別に申請できます。
事業再構築補助金は美容業でも申請できますか?
事業再構築補助金は新規の公募を終了しています。美容室がエステサロンや訪問美容サービスに事業展開する、物販(ヘアケア商品等)のEC事業を開始するなど、新市場への進出・事業転換を伴う投資の受け皿としては、後継の中小企業新事業進出補助金(中小企業基盤整備機構)が設けられています。補助上限額・補助率・要件などの最新情報は公式サイトの公募要領をご確認ください。
補助金申請で不採択になった場合、再申請はできますか?
はい、多くの補助金は不採択になっても次回の公募に再申請できます。特に持続化補助金は年に複数回の公募があり、改善した事業計画書で再挑戦できます。不採択の場合、採点結果の開示を求めることも一部制度では可能です(制度によって異なります)。不採択理由を分析し、事業計画書の説得力を高めて再申請することで採択率が向上します。商工会議所の支援を受けながら計画書を磨くことをお勧めします。
補助金はいつ受け取れますか?資金繰りへの影響はありますか?
補助金は後払い(実績報告後の受取)が基本です。持続化補助金の場合、採択発表から交付決定まで概ね1〜2か月かかる場合があると公式に案内されており、その後の補助事業の実施期間(交付決定日から6ヶ月間程度)と実績報告・審査を経てから入金されます。設備購入や改装費は一時的に自己資金・融資で賄う必要があります。資金繰りが厳しい場合は、日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」や信用保証協会の保証付き融資を補助金と組み合わせて活用することをお勧めします。
出典・参考
※本記事に記載の補助率・上限額・支給額はすべて上記公式公表資料に基づきます。実在事例の内容は公式事例集に基づく公開情報です。上限額・補助率・要件は公募回・年度により変更される場合があります(本記事の内容は2026年7月時点)。