創業・開業時に使える補助金2026年版
国・自治体の支援制度を徹底解説

この記事のポイント
本記事では2026年最新の創業・開業時に使える補助金を、対象者・申請タイミング別に解説します。起業・創業時は資金需要が高まる一方、実績がないため融資を受けにくい時期です。補助金・助成金・自治体の創業支援制度をうまく活用すれば、初期費用の大きな部分を公的資金でカバーできます。重要なのは申請タイミング。開業前から動き始めることが成功の鍵です。
「補助金・助成金」と「融資」—創業期に賢く使い分けるには?

補助金・助成金:返済不要。採択されれば純粋な収入。ただし審査あり・入金まで時間がかかる。事業実施後に補填される「後払い」が基本。
創業融資(日本政策金融公庫など):実績がなくても借りられる。即効性あり。返済義務がある。

創業期は「融資で手元資金を確保しながら、補助金で設備費・販促費を回収する」二段構えの戦略が有効です。

創業時に活用できる主な補助金・助成金

制度名補助率・上限額対象・特徴
小規模事業者持続化補助金(創業型) 補助率2/3・上限200万円
(特例活用で最大250万円)
認定市区町村等の「特定創業支援等事業」の支援を受けた日と開業日がいずれも公募締切から過去3年以内の事業者。販路開拓費を補助。
デジタル化・AI導入補助金
(旧:IT導入補助金)
通常枠:1/2以内(小規模2/3以内)・5万〜450万円
インボイス枠:ソフト〜350万円・50万円以下の部分3/4以内(小規模4/5以内)
会計・受発注・ECなど登録ITツールの導入。IT導入支援事業者(登録ベンダー)が申請をサポート。
地方自治体の創業補助金 数十万円〜数百万円(自治体による) 都道府県・市区町村が独自に設ける創業支援補助金。
キャリアアップ助成金(正社員化コース) 1人あたり最大80万円
(中小企業・重点支援対象者の場合)
非正規雇用者を正社員化した場合に受給できる。転換前に「キャリアアップ計画」の提出が必要。
特定求職者雇用開発助成金 1人あたり60万〜240万円
(対象者・助成対象期間により異なる)
高齢者・障害者などをハローワーク等の紹介で雇用した場合に受給できる雇用助成金。
中小企業新事業進出補助金 公募要領による(従業員数・枠により異なる) 新分野進出を伴う投資向け。事業再構築補助金(新規公募終了)の後継制度。事業計画書の審査あり。

出典:中小企業庁「小規模事業者持続化補助金(創業型)」概要/デジタル化・AI導入補助金2026 公募要領/厚生労働省 キャリアアップ助成金(令和8年度版)・特定求職者雇用開発助成金/中小企業新事業進出補助金 公式サイト(各出典URLは記事末尾に記載)。上限額・補助率・要件は公募回・年度により変更される場合があります。

起業前〜開業後の補助金活用タイムライン

補助金は「受け取るまで時間がかかる」ことを前提に、早めに動くことが大切です。

創業期の補助金活用モデルと実在事例

補助金は業種・ビジネスモデルによって活用しやすい制度が異なります。以下は各制度の公式値(補助率・上限額)にもとづく組み合わせの考え方です。

飲食店・店舗系の開業:持続化補助金(創業型)+デジタル化・AI導入補助金

チラシ・メニュー・Web広告などの販路開拓費は持続化補助金(創業型)(補助率2/3・上限200万円)の対象です。あわせてインボイス対応のPOSレジ・券売機・会計ソフトを導入する場合は、デジタル化・AI導入補助金のインボイス枠(インボイス対応類型)でソフトに加えてレジ・券売機(上限20万円)などのハードウェアも補助対象になります。創業型の要件である「特定創業支援等事業」への参加は開業前から準備しておくと、開業後スムーズに申請できます。

ネットショップ・小売系の開業:デジタル化・AI導入補助金+持続化補助金

ECサイト構築・在庫管理などの登録ITツールはデジタル化・AI導入補助金(通常枠)の対象です。持続化補助金でもホームページ・ECサイト等の「ウェブサイト関連費」を使えますが、補助金交付申請額の1/4が上限で、この費目のみでの申請はできません。チラシ・展示会出展など他の販路開拓の取組と組み合わせて申請する必要があります。

雇用を伴う創業:キャリアアップ助成金・特定求職者雇用開発助成金

創業と同時に従業員を雇う場合は、厚生労働省の雇用関係助成金(支給要件を満たせば支給される「支給要件型」)を組み合わせられます。たとえば重点支援対象者にあたる有期雇用労働者を正社員転換した場合、キャリアアップ助成金(正社員化コース)で中小企業は1人あたり80万円(40万円×2期)が支給されます。詳しくは採用・雇用に使える助成金ガイドをご覧ください。

実在の活用事例(公式サイトより)

中小企業庁が運営する「ミラサポplus」の事例ナビには、実在の持続化補助金の活用事例が掲載されています。たとえば北海道のケーキ店は、補助金で写真や絵を可食シートで印刷できるフードプリンターを導入し、他店との差別化と新規顧客の獲得につなげました(出典:ミラサポplus「事例から学ぶ『持続化補助金』」。創業事例に限らない小規模事業者の活用例です)。このほかの実在事例は持続化補助金2026年度ガイドで紹介しています。また、日本政策金融公庫は公式サイトで「story-全国創業事例集」として実在の創業事例を業種・地域別に公開しており、創業計画づくりの参考になります(記事末尾の出典リンク参照)。

飲食・サービス業向け

持続化補助金(創業型)が使いやすい。チラシ・Web広告など販路開拓費が対象(上限200万円・補助率2/3)。

IT・テック系向け

大型のシステム開発・新分野進出はものづくり補助金や中小企業新事業進出補助金を検討。いずれも事業計画書の審査あり。

雇用を伴う創業向け

キャリアアップ助成金・特定求職者雇用開発助成金を早期から組み合わせると人件費負担が軽減できる。

創業融資制度との賢い組み合わせ方

補助金は「後払い」のため、創業初期の資金繰りには融資との組み合わせが不可欠です。創業者向けの主な融資制度を把握しておきましょう。

融資制度特徴補助金との組み合わせ
日本政策金融公庫
新規開業・スタートアップ支援資金
融資限度額7,200万円(制度上の上限。実際の融資額は創業計画書等にもとづく審査で決まります)。新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方が対象。創業期(税務申告2期未了)は原則無担保・無保証人で、利率も一律0.65%引下げ(雇用拡大を図る場合0.9%引下げ)。 補助金採択前に融資で手元資金を確保し、補助金で後から回収する定番パターン。
信用保証協会
創業関連保証
銀行融資に信用保証協会が保証。開業前でも利用可能。 自己資金と合わせて初期投資を賄い、補助金受給後に繰り上げ返済する戦略も有効。
自治体の創業融資制度 都道府県・市区町村が独自に金利補助や保証料補助を設けているケースが多い。 国の補助金と自治体融資を組み合わせることで、実質負担をさらに軽減できる。

出典:日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」「創業融資のご案内」(2026年7月時点・出典URLは記事末尾に記載)。かつての「新創業融資制度」は現行の制度案内には存在せず、公庫の創業融資は新規開業・スタートアップ支援資金が中心となっています。なお「特定創業支援等事業」の証明書を取得した方は特別利率の対象になる場合があります。

補助金は「もらえたらラッキー」という姿勢で申請し、事業の基本的な資金計画は融資で組み立てることが安全です。補助金の採択を前提にした事業計画は、不採択になった場合に経営危機を招くリスクがあります。

創業補助金申請の重要な注意点

注意点1:補助金は「後払い」

補助金は事業完了後に振り込まれます。開業時は自己資金または融資で先に支出し、後から補助金を回収するイメージで資金計画を立ててください。日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」などの創業融資と組み合わせると資金繰りが安定します。

注意点2:認定支援機関の活用が有利

持続化補助金は商工会・商工会議所の支援(事業支援計画書=様式4の発行)を受けることが申請の条件です。ものづくり補助金なども認定支援機関・専門家への相談が推奨されます。創業初期から地域の支援機関とつながりを作っておきましょう。

注意点3:自治体の創業支援制度を先に調べる

都道府県や市区町村が独自に設けている創業補助金は、国の制度と併用できる場合があります。自治体のWebサイトや創業相談窓口で確認してください。

注意点4:開業届・法人設立登記のタイミングを意識する

補助金によっては「申請時点での業歴」が要件になるものがあります。例えば持続化補助金の創業型は「特定創業支援等事業の支援を受けた日と開業日(設立年月日)がいずれも公募締切から過去3年以内」が条件です。開業届・法人設立登記のタイミングを記録しておき、各補助金の要件と照らし合わせてください。開業後も複数年にわたって申請できる制度もあるため、創業直後だけでなく定期的にチェックしてください。

注意点5:補助金の「対象経費」を事前に把握する

補助金によって「対象経費」の範囲が厳密に定められています。例えば持続化補助金では「機械装置等費」「広報費」「ウェブサイト関連費」などが対象ですが、物件の敷金・礼金・家賃は原則対象外です。対象経費を把握した上で事業計画・資金計画を設計することで、補助金を最大限に活用できます。

注意:補助金の採択は保証されていません。補助金を前提にした事業計画は危険です。補助金が採択されなかった場合でも事業を継続できる資金計画を立てておきましょう。

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よくある質問(FAQ)

法人と個人事業主、どちらで開業すると補助金で有利ですか?
多くの補助金は法人・個人事業主どちらも対象です。補助金の観点だけでは有利不利の差は少なく、税務・社会保険・取引先との関係など総合的に判断することをお勧めします。
開業前(開業届提出前)でも申請できますか?
ほとんどの補助金は事業者としての実態(開業届の提出)が必要です。開業前から準備を始め、開業届提出後すぐに申請できるよう手続きを進めておくことをお勧めします。
GビズIDとはなんですか?
法人・個人事業主がjGrants(補助金申請システム)などの行政サービスにログインするためのアカウントです。マイナンバーカードまたは印鑑証明書等を使って申請でき、発行まで2〜4週間かかります。
創業前でも使える補助金はありますか?
多くの補助金は事業開始後(開業届提出後)が対象ですが、自治体によっては創業計画段階から使える「創業支援補助金」を設けているケースもあります。また、持続化補助金の「創業型」は認定市区町村等の「特定創業支援等事業」の支援を受けていることが条件で、開業直後でも申請できます。まず地域の商工会・市区町村窓口に相談することをお勧めします。
補助金とビジネスローンはどちらを先にすべきですか?
両方の活用を検討してください。補助金は「後払い」のため、先に自己資金か融資で支払う必要があります。日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」や信用保証協会の保証付き融資と補助金を組み合わせるのが一般的なパターンです。補助金が採択されない場合でも事業を継続できる資金計画を立てた上で、補助金をプラスアルファとして活用する考え方が安全です。
副業から法人化する際に創業補助金は使えますか?
副業として行っていた事業を法人化・個人事業として本業化する場合も、「新たに創業した事業者」として扱われるケースがあります。ただし各補助金によって「創業」の定義が異なります。例えば持続化補助金の創業型は「特定創業支援等事業の支援を受けた日と開業日(設立年月日)がいずれも公募締切から過去3年以内」という基準があります。詳細は各補助金の公募要領を確認してください。
フランチャイズ開業でも創業補助金を受けられますか?
フランチャイズ加盟による開業でも、多くの創業補助金の対象になります。ただしフランチャイズ本部への加盟金・ロイヤリティは補助対象外になることが一般的です。内装費・広告費・IT導入費などが補助対象になる場合が多いため、加盟するフランチャイズ本部に補助金活用実績を確認してみるのもよいでしょう。

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※本記事の情報は2026年7月時点で各公式サイトに公表されている内容に基づきます。補助金の内容・要件は変更される場合があります。申請前に必ず公式ポータルの最新情報をご確認ください。