製造業向け補助金
製造業が使える補助金まとめ【2026年最新版】
設備投資・DX・人材育成
補助金ナビ編集部
最終更新:2026年7月16日
この記事のポイント
製造業は「ものづくり補助金」「中小企業省力化投資補助金」「デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)」など、設備投資からDX推進まで幅広く活用できる補助金が揃っています。ものづくり補助金は最大2,500万円(グローバル枠3,000万円)、省力化投資補助金(一般型)は最大8,000万円と大型の制度もあります。本記事では主要制度を金額・補助率付きで整理し、申請のポイントを解説します。
製造業向け補助金の全体像
製造業は日本の産業の根幹を支える業種であり、国・地方自治体ともに設備投資やデジタル化を促進する補助金・助成金制度を多数整備しています。特に近年は人手不足への対応、カーボンニュートラル対応、サプライチェーン強靭化を目的とした制度が充実しています。
製造業が活用できる補助金は大きく4つのカテゴリに分けられます。①設備投資・機械導入、②デジタル化・DX推進、③人材育成・雇用促進、④省エネ・環境対応です。それぞれの代表的な制度を以下で詳しく解説します。
| 制度名 | 補助上限額 | 補助率 | 主な用途 |
| ものづくり補助金 | 750万〜2,500万円(グローバル枠3,000万円) | 中小1/2・小規模2/3 | 革新的な製品開発・機械設備導入 |
| 中小企業省力化投資補助金 | カタログ注文型200万〜1,000万円(賃上げで最大1,500万円)/一般型750万〜8,000万円(賃上げで最大1億円) | 1/2等(型・要件による) | 人手不足解消・自動化設備 |
| デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金) | 通常枠 最大450万円 | 1/2以内(小規模2/3以内) | 生産管理・受発注システム |
| 中小企業新事業進出補助金 | 従業員数・枠により異なる(公式要領参照) | 1/2等(公募要領による) | 新事業展開(事業再構築補助金の後継) |
| キャリアアップ助成金 | 正社員化 中小80万円/人(重点支援対象者) | 定額 | 非正規→正規転換・処遇改善 |
| 人材開発支援助成金 | 経費助成限度額 訓練時間別15万〜50万円/人(人材育成支援コース・中小) | 経費の45〜75%(中小・訓練/対象者による) | 社員研修・技能習得 |
※補助額・補助率は公募回・申請枠・従業員規模によって異なります。必ず最新の公募要領をご確認ください。各制度の詳しい枠構成・申請手順は、表内リンクの制度別ガイド記事で解説しています。
ものづくり補助金
ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)は、中小企業・小規模事業者が革新的な製品・サービス開発、または生産プロセスの改善に取り組む際の設備投資を支援する代表的な補助金です。製造業にとって最も活用頻度の高い制度のひとつです。
補助内容と申請枠(2026年・第23次公募時点)
2026年の第23次公募時点の申請枠は「製品・サービス高付加価値化枠」と「グローバル枠」の2つです。かつて設けられていた省力化向けの枠は、現在は別制度の「中小企業省力化投資補助金」に整理されています。
| 申請枠 | 補助上限額 | 補助率 | 要件 |
| 製品・サービス高付加価値化枠 | 750万〜2,500万円(従業員規模別:1〜5人750万円/6〜20人1,000万円/21〜50人1,500万円/51人以上2,500万円) | 中小1/2・小規模2/3 | 革新的な製品・サービス開発 |
| グローバル枠 | 3,000万円 | 中小1/2・小規模2/3 | 海外事業の拡大・強化 |
このほか、大幅な賃上げに取り組む事業者は補助上限額が上乗せされる特例があります。枠の詳細・申請手順はものづくり補助金2026年度申請ガイドで解説しています。
対象となる主な経費
- 機械装置・システム構築費(NC工作機械・ロボット・3Dプリンター等)
- 技術導入費(特許権・ノウハウ等の使用に要する費用)
- 専門家経費(外部専門家への依頼費用)
- 運搬費・クラウドサービス利用費・原材料費(一部)
- 外注費・知的財産権等関連経費
製造業の実在の成果事例(公式「成果事例集」より)
以下は、全国中小企業団体中央会が公開する「令和6年度ものづくり補助金成果事例集」に掲載された実在の製造業の取組です。社名・所在地・成果は同事例集に基づく公開情報です(架空の事例ではありません)。
有限会社武居製作所(栃木県栃木市/金属プレス加工・従業員約60人)
トラック・建設機械・農機具向けの金属プレス加工を手がける同社は、受注部品の多様化で既存の150トンプレス機ではスペック不足が顕在化していました。ものづくり補助金でコマツ製200トンプレス機を導入し、大型金型で従来2工程を1工程に集約してコストを削減。建設機械向けの燃料タンクカバーなど新規受注の獲得にもつながり、売上高は2022年5月期の約7.5億円から2024年5月期の約8.9億円へと伸長しました。
株式会社ヤナギモト(大阪府高石市/砂型鋳造・ポンプ部品)
ポンプの重要部品「インペラ」を砂型鋳造で製造し、発注企業から100分の1mmレベルの精度を求められていた同社。従来はノギスによる手作業の測定でしたが、ものづくり補助金で非接触の3次元(3D)スキャナーを導入し、ボタン一つで高精度な寸法測定・CADデータ化ができるようになりました。検査の自動化と属人化の解消を実現し、検査担当者を収益性の高い新規事業の開拓へ振り向けられるようになりました。
中小企業省力化投資補助金
中小企業省力化投資補助金は、深刻な人手不足に直面する中小企業・小規模事業者が、業務の自動化・省力化を進めるための補助金です。2024年度から始まった比較的新しい制度で、製造業の現場導入に特に適しています。登録済みの「カタログ」から製品を選ぶカタログ注文型と、現場に合わせてオーダーメイドの設備・システムを導入できる一般型の2つの型があります。
補助内容(2型の比較)
| 型 | 補助上限額 | 補助率 | 特徴 |
| カタログ注文型 | 従業員数別 200万〜1,000万円(賃上げ達成で最大1,500万円) | 1/2以下 | カタログ登録製品から選ぶ方式・随時公募 |
| 一般型 | 従業員数別 750万〜8,000万円(賃上げ達成で最大1億円) | 中小1/2(大幅賃上げで2/3)・小規模2/3 | オーダーメイドの設備・システム・公募回制 |
補助対象となる製品カテゴリ(カタログ注文型)
カタログ注文型では、事務局に登録された「カタログ製品」の中から補助対象製品を選ぶ方式です。製造業で活用できる代表的なカテゴリは以下の通りです。
- 産業用ロボット・協働ロボット
- 自動搬送装置(AGV・AMR等)
このほかのカテゴリ・対象製品は公式サイトのカタログで公開されています。カタログ注文型は販売事業者が申請をサポートしてくれるため、申請のハードルが比較的低い点が特徴です。現場の人手不足に今すぐ対応したい製造業者に向いています。制度の使い分けは設備投資・生産性向上の補助金2026で詳しく解説しています。
デジタル化・AI導入補助金(製造業での活用)
デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金・2026年度から名称変更)は「デジタル化」全般を支援する補助金ですが、製造業においても生産管理システムや品質管理システムの導入に広く活用されています。通常枠は補助率1/2以内(小規模事業者2/3以内)・補助額5万〜450万円。インボイス制度対応の会計ソフト・受発注ソフトは、インボイス枠(インボイス対応類型)で50万円以下の部分について3/4以内(小規模4/5以内)の高い補助率が適用されます。枠の選び方はデジタル化・AI導入補助金 完全ガイドで解説しています。
製造業で特に活用されるITツール
- 生産管理システム(MES・MRP・工程管理)
- 在庫管理・倉庫管理(WMS)システム
- 品質管理・検査記録システム
- 電子発注・EDI(電子商取引)システム
- クラウド型会計・請求書システム(インボイス対応)
- 勤怠管理・シフト管理システム
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人材育成・雇用関連助成金
設備投資だけでなく、人材面での支援も製造業にとって重要です。厚生労働省が所管する雇用関連助成金は、返済不要の「助成金」であり、要件を満たせば確実に受給できる制度です。
人材開発支援助成金(製造業向けポイント)
人材開発支援助成金は、従業員に対して職業訓練(OJT・OFF-JT)を実施した事業主に訓練費用・賃金の一部を助成する制度です。製造業では機械操作・溶接・CAD/CAM・品質管理などの技能訓練で活用されています。主なコースの助成内容(令和8年度・中小企業)は以下の通りです。
| コース | 経費助成率(中小) | そのほかの助成 |
| 人材育成支援コース | 正規45%・有期契約労働者等70%・有期実習型訓練75%(訓練の種類・対象者による) | 賃金助成1人1時間800円。経費助成限度額は訓練時間別に1人15万〜50万円 |
| 事業展開等リスキリング支援コース | 75% | 賃金助成1人1時間1,000円 |
このほかデジタル人材育成向けの「人への投資促進コース」等もあります(助成率は訓練区分により異なります)。コース別の詳細は採用・雇用・人材育成の補助金・助成金2026で解説しています。
キャリアアップ助成金(非正規労働者の処遇改善)
パート・アルバイト・派遣社員などの非正規労働者を正規雇用に転換したり、賃金を引き上げたりした場合に受給できる助成金です。製造業では期間工や派遣スタッフの正社員化で活用するケースが多く見られます。主なコースの支給額(令和8年度・中小企業)は以下の通りです。
- 正社員化コース:重点支援対象者(有期→正規)は1人あたり80万円(40万円×2期)、重点支援対象者以外(有期→正規)は40万円
- 賃金規定等改定コース:賃上げ率に応じて1人あたり4万〜7万円(3%以上の賃上げが対象)
- 賞与・退職金制度導入コース:1事業所あたり40万円(賞与・退職金の両方を同時導入した場合は56万8,000円・1回のみ)
申請前に確認すべきポイント
製造業で補助金を申請する際、審査通過率を高めるために事前に確認しておくべきポイントがあります。特に規模の大きい補助金(ものづくり補助金等)は事業計画書の記載内容が採否に直結します。
採択されやすい事業計画書のポイント
①現状の課題を数値で示す:「リードタイムが〇日かかっている」「不良率が〇%発生している」など具体的な現状を記載する。
②補助事業の内容を明確に:どの設備を・いくらで・どう使うかを明記。「NC旋盤(〇〇社製)を1台導入、月産能力を現状比30%向上」など。
③導入効果を定量的に示す:売上・利益・生産性・コスト削減などで数値目標を設定する。
④資金調達計画を明確に:自己資金・借入・補助金の内訳を明示し、実行可能性をアピールする。
よくある申請失敗パターン
- 交付決定前に発注・契約・支払いを行ってしまう(最も多いNG)
- 対象外経費(土地代・建物本体工事費など)を含めて申請する
- GビズIDの取得が遅れ、公募期間内に申請できない
- 事業計画書の内容が抽象的で審査員に伝わらない
- 複数の補助金を同一経費で重複申請する(原則禁止)
補助金活用の流れ(ステップ)
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補助金の情報収集・選定
現在の経営課題(設備老朽化・人手不足・DX遅れ等)を整理し、課題解決に合った補助金を選びます。複数の補助金を組み合わせることも可能です(経費の重複は不可)。
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GビズIDプライムの取得
ものづくり補助金・中小企業省力化投資補助金・デジタル化・AI導入補助金はいずれもGビズIDプライムが必須です。オンライン申請(マイナンバーカード利用)なら速やかに発行されますが、書類申請は審査に最大1か月かかるため、公募開始前に取得しておきましょう。
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事業計画書の作成・専門家への相談
特にものづくり補助金は事業計画書の質が採択を左右します。中小企業診断士・商工会議所・地域の支援機関に相談し、内容のブラッシュアップを行いましょう。無料相談を提供する機関も多くあります。
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公募期間中にオンライン申請
各補助金の申請ポータルから必要書類を揃えてオンライン申請します。直前は混み合うため、公募開始後早めに着手することをお勧めします。
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採択・交付決定の通知を待つ
採択後に正式な交付決定通知が届くまで、対象設備の発注・契約・支払いは行ってはいけません。この順序を守ることが最も重要なルールです。
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設備の発注・導入・支払い
交付決定後に発注・契約・設備導入・支払いを行います。導入期間中は進捗報告が求められる場合があります。
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実績報告・補助金の受領
事業完了後に実績報告書と証拠書類をオンラインで提出します。審査通過後、指定口座に補助金が振り込まれます。
よくある質問(FAQ)
ものづくり補助金と省力化投資補助金は同時に申請できますか?
同一の設備・経費に対して両方を申請することはできません(重複補助の禁止)。ただし、異なる設備・工程に対してそれぞれ申請することは可能です。自社の状況に合わせてどちらがより効果的かを比較検討してください。
設備の見積もりは何社から取れば良いですか?
補助金によって規定は異なります。ものづくり補助金では、単価50万円(税抜)以上の物件等は原則2者以上からの同一条件による見積りが必要で、中古品は型式・年式を記載した3者以上の相見積もりが必要です。申請する制度の公募要領で必ず確認してください。
採択されても補助金が出ないケースはありますか?
採択はあくまで「補助金を受ける権利の獲得」であり、実績報告書の審査通過が必要です。発注・支払い時期のルール違反、対象外経費の混入、報告書の不備などがあると全額不交付・減額になる場合があります。採択後の手続きも丁寧に進めることが重要です。
創業1年未満の製造業でも申請できますか?
制度によって異なります。ものづくり補助金は直近2期分の決算書の提出が原則ですが、創業1年以上2年未満の場合は1期分、創業1年未満の場合は事業計画書・収支予算書の提出で申請できます。省力化投資補助金やデジタル化・AI導入補助金も創業間もない企業が申請できる場合があります。各制度の公募要領をご確認ください。
補助金受給後に設備を売却してしまうと問題がありますか?
補助事業終了後5年間(財産処分制限期間)は、補助金で取得した設備を売却・譲渡・廃棄する場合、事前に事務局の承認が必要です。無断で処分した場合、補助金の返還を求められる可能性があります。
人材開発支援助成金の申請はいつすれば良いですか?
訓練実施前に「職業訓練実施計画届」を労働局・ハローワークに提出する必要があります。提出期限が定められているため、訓練日程が決まったら早めに段取りを整えることが重要です。助成金は訓練実施後に支給申請する後払い方式です。
補助金申請の支援を無料で受けられる窓口はありますか?
中小企業基盤整備機構(中小機構)、各都道府県の中小企業支援センター、商工会・商工会議所、よろず支援拠点などで無料相談を受けられます。特にものづくり補助金の事業計画書作成サポートは商工会議所が積極的に対応していることが多いため、まず地元の商工会議所に相談することをお勧めします。
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出典・参考
※本記事に記載の補助率・上限額・支給額はすべて上記公式公表資料に基づきます。実在事例の社名・所在地・成果は公式「成果事例集」に基づく公開情報です。上限額・補助率・要件は公募回・年度により変更される場合があります(本記事の内容は2026年7月時点)。
※本記事の情報は2026年7月時点のものです。補助金の内容・要件は変更される場合があります。申請前に必ず公式ポータルの最新情報をご確認ください。